【データで見る実態】従業員の〇割が被害?現場で起きているカスハラの実態と「隠れたリスク」

2026年10月1日より、企業の「カスハラ防止措置」が義務化されました。
「実際にどれくらいの被害があるのか?」「うちは大丈夫では?」と感じる担当者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)の最新データをもとに、現場の実態と見落としがちなリスクを解説します。

数字で見るカスハラ被害の実態:約10人に1人が被害を経験

厚生労働省の調査によると、過去3年間でカスハラに関する相談があった企業の割合は27.9%にのぼり、前回調査(令和2年度)から8.4ポイント増と急増しています。
さらに衝撃的なのは、相談があった企業のうち86.8%が「実際にカスハラに該当する事例があった」と回答している点です。
寄せられる相談の多くが、一線を越えた悪質なケースと言えます。

また、個人への調査では過去3年間で被害を受けた人の割合は10.8%でした。
実に「約10人に1人」の働く人が被害を経験
しています。

以前までは接客業におけるカスハラが問題視されていましたが、
今では接客業に限らず、BtoBでの取引先からの暴言やIT・製造業など、あらゆる業種で問題化しています。

放置することで生じる「3つの隠れたリスク」

こうしたカスハラ対策を「現場の忍耐」に任せて放置すると、企業に深刻なダメージが残ります。

  1. 優秀な人材の離職・メンタル不調: 責任感の強いスタッフほど抱え込み、離職へ追い込まれる。

  2. 通常業務の停滞と経済的損失: 長時間対応により、他のお客様へのサービス品質が低下する。

  3. 安全配慮義務違反リスク: 対策を怠って不調者が出た場合、企業の管理責任が問われる。

まとめ:現場に「我慢」をさせない体制づくりを

データが示す通り、カスハラはどの企業にとっても身近なリスクです。
大切な従業員を守るためには、個人に任せず組織で対応する体制づくりが不可欠です。
しかし、現場で最も判断に迷うのは「どこまでが正当なクレームで、どこからがカスハラなのか?」という線引きです。
そこで迷うからこそ、どのような場面を想定した策を講じてよいのかわからないといった相談を受けることがあります。

次回は、『なぜ現場は迷うのか?「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きの難しさ』と題し、
判断基準の考え方について解説します。

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